からくりサーカス感想

一週間ほどかけてからくりサーカスを読み終えた。
これだけ風呂敷を広げておいて綺麗に畳んだ上に読了後の達成感がものすごい漫画も珍しい気がする。
単行本で追加されたというカーテンコールで涙しなかった人はいないんじゃなかろうか。
あまりに設定がてんこ盛り過ぎて時々キャラクターに無理やり説明や解説をさせているように思える部分もあるが、それを差し引いてもとんでもなく面白い漫画だった。
特濃メガ盛りチーズ1キロ乗せかつ丼みたいな感じ。胃もたれ必須。

とにかく読み終えてからというもの、誰かと感想を言い合いたくてネットの海を彷徨っていたが、どうにも勝と勝編に対するヘイトが高くてげんなりしてしまった。面白かった部分を語り合いたいんであってキャラヘイトはNOです。


読後にネットを見て気付いたこと、面白かった事。

⇒勝と鳴海が再開しない理由
勝が子供から男になったからだと個人的には思っていたんだけど、作者の言葉を読んでそれにプラスして「もう真似や後追いするだけの子供ではない」からなんじゃないかなあと。
だからこその背中合わせのシーンと、鳴海にフラッシュで反抗した風に描いたのかなと。
少年は旅と成長と反抗期を経て一人の立派な男になったんだろう。
勝がチートチート言われてるけど、一人の男として成長したからだと分かれば叩こうと思わんのではなかろうか。
好きな人の幸せを願って身を引けるええ子ですね。

フェイスレスをただ倒すだけじゃなく自分のしでかした事に疑問を抱かせたのすごい
それなー。似たような環境なのにしろがねに横恋慕しない勝、それによって笑顔になったエレオノール、自分と同じように独善的な愛を押し付けるディアマンティーナ、自分と同じ存在のはずなのに勝を守ったしろがね犬、全部のブーメランが刺さった上で改心して、それでも最後にぐりぽん君のおかげでようやく一人ぼっちじゃなくなったフェイスレスに泣いてしまう。

⇒白金=勝、白銀=鳴海、フランシーヌ=エレオノールで記憶を引き継いでる云々
その見方はなかった。たしかに。

⇒恋に敗れた男同士が世界をかけて争う話
笑う。確かにね。

⇒新しく出来たハーレクイン、カピタン、ブリゲッラ、ディアマンティーナが今のフェイスレスの性格を表す四人になっている
フランシーヌへの執着、偽りの過去、自分の矜持を保てない、独善的な愛の押し付け
みたいなね。
確かになあって思いました。

⇒笑わせて貰おうとしても笑えなかったフランシーヌ人形は誰かを笑わせようとして初めて笑えたんだぞ
ああああああ、確かに!!!
というかからくりサーカス自体が基本その構造になってるよな。すごい。


他にも色々響いた所とかもあるんだけど、一旦区切り。

 

 

追記。

誰かが死んだり夢を叶えたりするシーンはどれもぐっと来るんだけど、それ以外でぐっと来たのは江戸時代からの色んな記憶の旅をした勝が起き上がって言った一言「なんで、みんなしあわせになれないのさあ?!」です。